NO.6 男しか行けない場所に女が行ってきました/田房永子
●田房永子氏/漫画家、ライター
いわゆる「エロ本」を生業とし、男の夢で構成されがちなエロの世界を女性視点で表現。
風俗や某パーティーに潜入するなど、自ら感じたことを語る勇気ある女性である。
女性ならではの視点で書かれる文章に女性は「わかる!」と共感できる箇所がたくさんあるのだろう
逆に男性からしてみれば、耳が痛いことがたくさん書いてあるとも言える。
★心に響いた1行★
「この世界そのものが男による男のための「男にしか行けない場所」だからなんじゃないか」
★読み終わった心境★
女性視点で「エロ」の世界を観察するといかに
「エロ」の世界は男のために創られているかがわかるものだ。
風俗や映画、某パーティーからAVまで、その全ては男のための欲の固まりである。
本書を読むまでそのような視点で考えたことがなかっただけに、納得する部分が多々あった。女性からしてみれば、当たり前のことも男性側にいると考えもしないことがたくさんあるのだ。
男女平等が世界で唱えられてから久しいがやはり「エロ」の世界もまだまだ男性の世界である。
女性専用のAVや風俗がない(あるが少ない)のもその証拠と言えるだろう。
男性のための「エロ」はあって、なぜ女性のための「エロ」はないのか。
またなぜあってはいけなかったのか。その辺りに今までの歴史の黒い部分が見える。
「だって女性だから」という言葉がマイナスではなくプラスへ
そんな世界になった時、男性はどうなっているのだろうか。
ふと読んでいてそんなことを考えた。
想像するだけで恐ろしくなる。
だがこれは女性が既に感じていることなのかもしれない。
どちらか一方のためだけの世界ではなく
お互いが気持ちよく生きることの出来る世界
そんな世界になることを願って。
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